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いただきもの

R18

いつか きっと。。。

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「結婚してください!!」

夢みたいな
彼からのプロポーズの言葉。

私は、幸せをかみしめながら
瞳を閉じた――――――

 

:::

 

真っ白なチャペル。

荘厳な礼拝堂の中で
パイプオルガンの音色が響き渡り前奏が始まると
新郎も、神父も、参列者達も
これから始まる神聖な式の準備に入る。

いくつもの音が重なり奏でられるメロディは
やがて終わり
式の始まりを告げる。

聖歌隊による「アヴェ・マリア」の声がチャペルに響き渡る。

チャペルのドアがゆっくりと開かれ
外からはあたたかな太陽の光が差し込む。

その神々しい光に目を細めながら、
新郎はまっすぐ伸びるバージンロードのその先を見つめる。

純白のウェディングドレスを身にまとった花嫁…新婦と
横にはその父。

参列者もみなチャペルの入り口の
ふたりを見つめる。

寄り添うように、新婦は父の腕に手を添え、
ふたりは足並みを揃えながら バージンロードを歩く。

ゆっくりと、ゆっくりと歩く。

父と娘がともに歩んできた月日を
かみ締めるように。

 

白いベールから覗かせる
透き通るような白い肌。
大きな瞳。長い睫毛。
伏し目がちで控えめなその表情は
高校時代の面影を残ししつつも、
十年の歳月が彼女を美しく成長させていた。

その麗しい姿に
参列者席からは、どこからともなく「ほぅ」っとため息が漏れる。

チャペルの奥の祭壇近くまでたどり着くと
新婦と父は一礼をする。

そして父は、
長い年月をかけて育み愛しんできた娘を新郎へと送るのだ。

“「お父さん これまでながい間…ほんとうにお世話になりました」”

最後の夜の娘の言葉を思い出し、父の胸は熱くなる。

“「どうか、幸せになっておくれ」”

娘を託すその先の新郎と
父親の視線がぶつかる。

すると新郎は真剣な眼差しで父親をみつめ
言葉ではなく表情でその意思を伝える。

“ずっと、大事にします。
彼女を 守っていきます。
二人で…幸せになります。
だから、どうか安心してください”

父親は微かに頷く。

“娘を頼んだよ。幸せにしてあげてくれ”

そして娘を送り出す。

祭壇の前に立つ神父に向かい
新郎・新婦は並ぶ。

神父による挙式開始の宣言により
いよいよ二人の誓いの式が始まる。

神父が聖書を開き
『夫婦の務めに関するすすめ』
を読み上げる。

続いて「誓いの言葉」。

神父の言葉に続き、
新郎が、誓いの言葉を述べる。

「私 風早翔太は、黒沼爽子を妻とし

健やかなるときも、

病めるときも、

喜びのときも、

悲しみのときも、

豊かなときも、

貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、

これを慰め、これを助け、

この命ある限り、

真心を尽くすことを誓います」

続いて新婦から新郎への誓いの言葉が述べられる。

「私 黒沼爽子は、風早翔太を夫とし

健やかなるときも、

病めるときも、

喜びのときも、

悲しみのときも、

豊かなときも、

貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、

これを慰め、これを助け、

この命ある限り、

真心を尽くすことを誓います」

 

「それでは、ふたり 指輪の交換を行ってください」

神父から指輪を受け取ると、新郎は妻となる人の指にその指輪を通し、
新婦もまた、神父から受取った指輪を夫となる人の指に通す。

二人の薬指にキラリと輝く永遠の愛の証し。  

 

そして、誓いのキス。

新郎がそうっと白いベールを上げると、
頬をほんのりピンク色に染めた新婦は、
恥ずかしそうにゆっくりと顔を上げた。

二人は見つめあう。

新郎は目の前の美しい花嫁に、つい見とれてしまいながらも
優しく微笑みかけると、
ゆっくりとその距離を縮めていく。

そして二人は「誓いのキス」を交わす。

“愛してる”
“私もあなたを……愛しています”

“ずっと
これからも
永遠に………”

そのキスに「永遠」の願いを込めて。

 

「ここに晴れて お二人の結婚が成立しました」
神父による高らかな結婚宣言。

今ここに二人の結婚が約束されたのだ。

 

参列者は起立し、
パイプオルガンの伴奏にあわせて
『賛美歌』を斉唱する。

このチャペルの中にいる全員が
二人の永遠の幸せを祈り、歌う。

最後のパイプオルガンの演奏が終わり、
その音色が礼拝堂の中に吸い込まれるように消えていくと、
新郎新婦は退場の時を迎える。

二人はバージンロードを歩き、
チャペルの外へと向かう。

開かれたドアからチャペルの中に降り注ぐ光はまるで
これからの二人の未来を指し示しているかのように
キラキラと輝いていて
ふと視線が合った二人は照れくさそうに微笑みあう。

チャペルの外には
両親、親族、友人達が待ち並び
二人が姿を現すと盛大な拍手とともに祝福の声がとびかう。

「おめでとう!!」
「おめでとー!!」

色とりどりの花びらが舞うフラワーシャワーの中
ふたりは歩く。

きっと今までにみた二人のどんな笑顔よりも
幸せに満ちた笑顔で―――。

「風早、おめでとっ!!」

「爽子、おめでとう!!」

「二人ともおめでとーー!!」

「おしあわせにっ!!」

チャペルの鐘の音も
二人を祝福するかのように
何度も、何度も 鳴り響いていた。

 

* * *

 

高校2年生の夏。
学校祭の打ち上げ。
皆で行った浜辺。

あの時の彼からのプロポーズは「未遂」に終わった。
……というよりも、実際は彼の意思・彼の言葉ではなかった。

でもどうしても想像してみたくって
白いチャペルでの永遠の誓いを思い描いてみた。

あの時は「彼の言葉」じゃないって、
分かってた。理解していたけれど。
想像だけなら、いいかなって
私、どんどんよくばりになっちゃって。

あの時彼は、
私が本気にしちゃったんじゃないかって
私を傷つけるんじゃないかって、心配してたっけな。

ほんとにプロポーズだったらよかったなって
ちょっとだけ残念だった。

でも仕方ないよ……ね。

あの時は彼も私もまだ幼くて

ずっと一緒にいたいと願う気持ちは同じでも
永遠なんて約束できるような自信も、
ましてや大切な人を自分だけで守れる力も
持ち合わせていなかったのだから。

ただ目の前にいるだいすきな人と
自分の想いが「同じ」だった
そんな幸せで胸がいっぱいで
「結婚」なんて、そんな大それたこと
あの瞬間までは考えたこともなかったの。

だけど―――

“「ずっと大事にするから」”

今思えばあの言葉には、きっと
彼なりの「永遠」の意味があったのだと思う。
なんて、おこがましいけど、
たまには……ううん、こんな時くらいは、
うぬぼれてもいいよ、ね?

あの日から十年後のいま。

変わらず私のそばには彼がいる。

そして差し出された彼の手には
小さな宝石箱と
その中にキラリと輝く小さな銀色の―――。

 

「爽子」

まっすぐに私を見つめる彼の瞳。

「は、はいっ……」

「俺と 結婚してください」

「……!」

「ずっと……大事にするから
これからも
ずっと俺のそばにいてほしいんだ…!」

 

「……はい……!

よ、よろしく、お願いします……!」

 

十年前のあの日、あの時思い描いた
私の幸福すぎる「妄想」は

間もなく現実になろうとしている。

 

「これからも、ずっとずっと 一緒にいようね……!」

私たちは互いの手と手をとって、 

何度も微笑み合った。

**********
--END--

 

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君の空。のPocchiさんと君の恋、君への恋。桜さんとの合同企画☆「爽子の妄想」
わたしはPocchiさんのウェディング小説の挿絵を描かせていただきました!
許可をいただいたのでうちのサイトにも小説と一緒にアップさせていただきます!
かわいい小説の雰囲気を壊さないようにほんわかした色合いにしてみました。
チャペルっぽさを出すってむずかしいですね;;
でもコラボは楽しいのでまた何か企画がありましたら誘ってください☆
桜さんの新婚さん妄想は→こちらから!



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